クリニカルクラークシップの実施と到達目標

仙台での医学教育学会で行われたクリニカルクラークシップのワークショップに参加しました。2004年からの卒後2年間の研修義務化や、国家試験へのOSCE導入を見据えて、各大学においてクリニカルクラークシップが始まりつつあり、多くの大学の先生が参加していました。しかし、このワークショプで私が感じたことは、各大学等でクラークシップの到達目標が明確ではなかったことでした。目標が明確でなければ方略も評価も不可能です。

我々は卒前教育として、主訴に対して時系列に病歴を記載すること、順序だてた身体診察法を習慣化できることおよび正常所見を理解することを習得できていれば、研修直後より直ちに疾患患者を診ることができ、引き続き効率的な卒後研修ができると主張してきました。本年度の1年目研修医に対しては、研修3カ月後に行ったアンケート調査では、卒後研修のように医療チームとして責任をもつ形のクリニカルクラークシップを3ヶ月行えば十分に習得できる目標であるといった意見が多数を占めました。

 

天理よろづ相談所病院 内科系マネージングドクター

伊賀幹二